賃貸物件探しをしていると、仲介業者から「この物件はもう埋まってます」と言われることがあります。実際に私もそう言われた経験がありますが、その言葉を信じていたら契約できるはずの物件を逃していたかもしれません。
同じ物件を2社に確認してわかった食い違い
私は「駐車場付き(普通車OK)」という条件で物件を探していました。そこで同じ物件について、A社と大手チェーン系のB社という2つの仲介業者に確認しました。
- A社の回答:「空室です。駐車場は普通車も停められます」 → 条件に合っていたので前向きに検討を開始。
- B社の回答:担当者が私の目の前で管理会社に電話をかけ、「その物件は他のお客様で先ほど成約しました。駐車場も軽専用とのことです」と説明。
ところが実際には、その後私はA社経由で問題なく契約でき、駐車場も普通車で利用可能でした。つまり、B社の説明は事実と異なっており、その「確認電話」はただのパフォーマンスでした。
背景にある「AD(広告料)」の仕組み
なぜこのような矛盾が起きるのか。その背景には、不動産業界特有の「AD(広告料)」の仕組みがあります。ADとは大家や管理会社が仲介業者に支払う紹介料で、金額の大小によって業者の対応が変わることがあります。
- ADが高い物件 → 仲介業者は積極的に案内する
- ADが低い物件 → 仲介業者が後回しにしたり消極的になることがある
私が契約した物件は、ADがほとんど付いていない物件でした。つまり、B社にとっては「利益になりにくい物件」だったため、紹介を避けた可能性が高いのです。
1社だけを信じる危うさ
もちろん、すべての仲介業者がこのような対応をするわけではありません。しかし、1社だけの説明を鵜呑みにすると、事実が歪んで見えてしまうことがあるのは確かです。
物件探しで意識したいポイント
- 同じ物件は必ず複数の業者に確認する
- 「埋まりました」と言われたら、根拠を確認する
- 最終判断は契約書面で行う(口頭説明は参考程度に)
- ADの存在を理解しておく(紹介される物件に偏りが出る理由になる)
まとめ
「この物件はもう埋まってます」という言葉を信じると、実際には契約できる物件を逃してしまうことがあります。仲介業者の二枚舌やADの仕組みを知っておくことで、不動産探しで損をしないための判断ができるようになります。
大切なのは、1社だけに頼らず複数社で情報を集め、冷静に比較検討することです。


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